空調・換気設備の配置設計は、建物形状や高さ、障害物、必要換気量、既設設備など多くの条件を考慮しながら設計者が判断する高度な業務です。一方で、設計基準の解釈や経験による判断が多く、担当者によって品質や作業時間に差が生まれるという課題もあります。
本プロジェクトでは、設計者が行う配置ロジックをAI・アルゴリズムで再現し、自動で複数の配置案を生成するPoCを実施しました。人手による配置との比較検証を行い、自動配置の技術的実現性を確認しました。
対象業界、解決した課題、現在のフェーズ、採用したソリューションと得られた結果を、まずはサマリとしてまとめています。
排気ファン・吸気ファンの製造メーカー
設計者ごとの経験やノウハウに依存していた設備配置を標準化し、設計品質を維持したまま業務効率化を実現したい。
現場で利用されている設計ロジックを整理・数式化し、図面情報や各種設計条件から最適な設備配置案を自動生成するアルゴリズムを構築。複数案を提示し、人手設計との比較検証を行うことで実現可能性を評価しました。
PoCでは10種類の図面で検証を実施し、単純条件の図面では8件で設計意図に沿った配置を再現。複雑な条件ではロジックの整理が必要な点も明確になり、本格導入に向けた改善ポイントを可視化できました。
なぜこのプロジェクトが立ち上がったのか、その背景を整理します。
空調・換気設備の配置設計では、必要換気量や到達距離だけではなく、建物形状や障害物、既設設備との兼ね合いなど、多数の条件を総合的に判断する必要があります。
そのため、設計品質は担当者の経験に左右されやすく、設計時間の増加や属人化が課題となっていました。また、熟練者の知見を再利用しづらく、設計ノウハウの継承も難しい状況でした。
過去の課題や、これまでの方法で解決しきれなかった理由を明確にします。
設備配置では、単純に必要台数を計算するだけではなく、気流の到達距離や設置禁止エリア、障害物、既設設備との関係など、多数の条件を同時に考慮しなければなりません。
条件が増えるほど判断は複雑になり、設計品質のばらつきや作業時間の増加につながります。さらに、担当者が変わることで設計方針が変化するリスクもあり、品質の標準化が難しい状況でした。
クライアントが抱えていた状況と、それに対して弊社が提供できる強みの両面から整理します。
基本方針から提案ポイント、発注者にとっての価値、そしてなぜこの方法を選んだのかという判断根拠までを順に示します。
AIに設計を任せるのではなく、まず熟練設計者が実際に行っている判断基準を整理・再現することを重視しました。そのうえで、人手による設計結果と比較・検証を繰り返しながらアルゴリズムを改善し、現場で安心して活用できる精度を目指しました。
本プロジェクトで我々がスクラッチから設計・実装したコンポーネントを、主要なものから順に列挙します。
モデルが判断を行うために必要なデータと、その形式・取得元を整理します。
推論結果としてどのような形でデータを外部へ渡すか、その形式と活用法を示します。
社内系統及び外部サービスとの接続点と、その接続方式をまとめます。
見えずらい部分で効いた設計・実装上のポイントを大きなものから順に記します。
キックオフから本番稼働までに要した期間と、本プロジェクト全体の費用感をまとめます。