
材質・処理温度・納期・炉容量を考慮し、熟練者に依存していた投入計画を自動化しました。
金属部品の熱処理工程では、製品を炉に入れれば終わりというわけではありません。材質や要求硬度によって処理温度と保持時間が異なり、同じ炉で同時に処理できる製品にも制約があります。さらに、炉内に収まる重量や寸法、前後工程の進捗、納期優先度まで考慮する必要がありました。 従来は、熱処理工程を熟知した担当者が、受注一覧と現場の進捗表を見比べながら投入順序を作成していました。計画作成には毎日2〜3時間を要し、緊急品や前工程の遅れが発生すると、そのたびに複数日の計画を組み直す必要がありました。 特に問題だったのは、温度帯の異なる製品を交互に処理すると、昇温・降温の待ち時間が増えることです。一方で温度効率だけを優先すると納期遅延が発生するため、担当者は多数の条件を頭の中で調整していました。この判断は経験に依存しており、担当者の不在時には計画品質が大きく落ちる状態でした。
温度帯、保持時間、炉内重量、製品寸法、同時処理の可否、納期優先度など、担当者が暗黙的に見ていた条件を整理しました。単純な納期順ではなく、現場で実際に成立する計画を作れるように設計しています。
同じ温度帯の製品を可能な範囲でまとめながら、納期遅延が発生しない投入順序を計算します。複数の炉がある場合は、それぞれの容量や対応温度を考慮して投入先も同時に決定します。
前工程の遅れや追加注文が発生した場合は、確定済みの作業を維持しながら、未着手分だけを再計算します。現場がすでに準備した内容を無駄にせず、変更範囲を抑えられる仕組みにしました。
各製品がその順序になった理由や、納期余裕が少ない案件、容量上限に近い炉を表示します。担当者は結果をそのまま受け入れるだけでなく、根拠を確認したうえで調整できます。
担当者は一から順序を考える必要がなくなり、システムが作成した案の確認と微調整が中心になりました。計画業務を特定の担当者だけに依存しない体制も整いました。
温度変更を抑えながら複数炉へ製品を割り当てることで、昇温・降温待ちや投入待ちが減少しました。設備を増設せずに、既存炉の稼働効率を高めています。
緊急品や前工程の遅れが発生しても、未着手分を短時間で再計算できるようになりました。担当者によって変更方針が異なる状態を改善し、納期リスクを早い段階で把握できます。
各製品の熱処理条件と納期、炉ごとの設備制約を照合し、納期遅延、温度変更回数、炉の空き時間が小さくなるように投入順序と使用炉を計算します。確定済みの計画や現場が固定した製品は変更せず、残りの範囲だけを再計算できます。
3カ月
対象となる炉数、既存データの整備状況、既存システムとの連携範囲により異なります。
400万円
対象工程、計画条件、画面機能、外部システム連携の範囲に応じて個別に算定します。