
試験担当が報告書の貼り付け作業に使っていた時間を、考察に回せるようにしました。
従業員90名、医療機器メーカーからの依頼で材料試験や性能試験を受託しています。年間の受託件数は約1,100件です。 試験の成果物は報告書です。試験条件、使用した装置、測定値、グラフ、考察をまとめて提出します。作成するのは試験担当12名で、1件あたり平均で約2時間半かかっていました。 内訳を見てみると、考察を書いている時間は3割程度でした。残りは、測定装置から出たデータをExcelに移し、グラフを作り、報告書の雛形に貼る作業です。 さらに、報告書の形式は依頼元ごとに違います。国内向けと海外向けで項目の順番が違い、有効数字の桁数の指定もあります。依頼元は34社で、形式は合計で51種類ありました。
引張試験機、恐度計、恒温槽など、装置ごとに出力形式が違います。USBメモリでの取り出しをやめ、自動で取り込む形にしました。
項目の順番、有効数字の桁数、単位の表記、グラフの軸の取り方まで含めて登録します。51種類を初期登録し、以降は顧客側で追加できる形にしました。
考察の欄は空のまま出力します。過去の類似試験の考察を参考として横に表示しますが、本文には入れません。試験担当が自分で書くべき部分だからです。
測定値に異常な値が含まれる場合や、試験条件が依頼内容と違う場合は、下書きの段階で知らせます。提出後の発覚を防ぐためです。
減ったのは貼り付け作業の分です。考察を書く時間は変えていません。年1,100件で換算すると、年間約1,800時間の削減になります。
以前は桁数や項目の順番を間違え、提出後に依頼元から指摘を受けることが月に数件ありました。形式をシステム側で持つことでなくなっています。
報告書の提出までの日数は平均で4.2日から2.8日になりました。試験を終えてから報告書作成を後回しにしていた分が減ったためです。
測定装置から出力されたデータを自動で取り込み、装置ごとの形式の違いを吸収して測定値を取り出します。受託番号から依頼元を特定し、登録された形式に合わせて項目の順番・桁数・単位表記を揃え、グラフを作成して報告書の下書きを出力。考察欄は空のままで、過去の類似試験を参考として横に表示します。
5カ月
装置の出力形式と報告書形式の調査5週、取り込みと作成部分の開発8週、画面実装5週、並行運用4週
800万円
要件定義・形式調査230万円+作成部分350万円+画面実装220万円(税抜)。新規依頼元の形式追加は顧客側で対応できます