
展開寸法や曲げ回数の算出を自動化し、失注理由1位だった回答の遅さを解消しました。
従業員45名の板金加工会社です。制御盤の筐体や機械カバーなど、単品・小ロットの製作が中心で、月間の引合いは約180件あります。 見積もりは、担当者1名がPDF図面から展開寸法を計算し、曲げ回数を数え、溶接長を拾って積み上げる作業でした。1件約45分、月180件を1人で処理するため、回答までのリードタイムは平均3営業日です。 転機は失注理由の集計でした。半年分を分類したところ、1位が「回答が遅い」で、価格の折り合いや技術的適合性より上位だったのです。板金の単品ものは相見積もりが常態化しており、最初に回答した会社が受注する傾向がありました。
金額を直接予測させると根拠を説明できません。展開寸法・曲げ回数・溶接長の算出だけをAIが行い、金額は既存単価表で積み上げる構成としました。
板厚と曲げ半径に応じた補正値は、長年使われてきた社内ルールを組み込みました。新しい計算方式では過去の見積もりや原価実績と整合しなくなるためです。
同一方向の連続曲げと方向転換を伴う曲げを区別してカウントします。単純な本数カウントでは加工費がずれるためです。
手描き図面は対象外と明確に定義しました。加えて自信度70%未満の図面は自動で人の確認へ回します。AIが完結できるのは全体の約7割です。
回答リードタイムは平均3営業日から即日〜翌日になりました。午前中の引合いは当日中に回答できています。
月180件の引合いで換算すると月11件の受注増です。改善分の大半は、相見積もりで最初に回答したことによる受注とされています。
展開計算や曲げ回数の判断が不要になり、営業が自分の担当案件を処理できるようになりました。見積もり担当者は対象外案件と単価表の見直しに専念しています。
図面種別を自動判別し、外形線・折り曲げ線・穴形状・板厚・材質・溶接記号を抽出します。社内補正値を適用して展開寸法を算出し、曲げ回数・溶接長・切断長を積算。抽出項目の確からしさから自信度を算出し、70%未満または板厚・材質が抽出できない場合は人の確認へ振り分けます。単価表と突き合わせて内訳付きの見積金額を算出します。
6カ月
要件定義と実データ検証4週、図面解析エンジン10週、見積算出と実装8週、並行運用4週
950万円
要件定義・検証250万円+解析エンジン400万円+実装300万円(税抜)。単価改定は顧客側で対応可能