
工場長の記憶に頼っていた過去図面の参照を、形状から探せる形にしました。
従業員95名、産業機械向けの部品を受託で加工しています。受注は図面と一緒に届き、年間でおよそ1,200件。過去20年分の図面は約2.4万件あります。 新しい図面が来たとき、似た形状のものを過去に作っていれば、そのときの加工手順や治具、実際にかかった時間が使えます。見積もりも早く、失敗も減ります。 問題は、似た図面を探す手段がなかったことです。図面は受注番号でフォルダに保存されており、検索できるのは顧客名と品番だけ。形状では探せません。実際には、工場長が図面を見て「これは前に似たのをやったな」と思い出せるかどうかでした。 この工場長は勤続28年。本人からも「自分が辞めたら、この図面の山はただの保管物になる」という話が出ており、図面を形状から探せないかという相談でした。
図面の線と形状から、外形の特徴や穴の配置といった情報を取り出し、形の近さで並べられるようにしました。品番や顧客名ではなく形で探せることがこの仕組みの中心です。
図面だけ見ても使えません。過去の作業実績と紐づけ、似た図面と一緒に、使った治具、加工手順、実際にかかった時間を表示します。
古い図面には手描きやスキャンしただけのものも混ざります。形状を取り出せない図面は対象外として明示し、全体の約1割を外しています。
候補を見た担当者が「これは使える」「似ていない」を選べるようにし、その記録を集めて並べ方を見直しています。
従来は工場長が思い出したときだけでした。現在は見積もり担当者が自分で探しています。
過去の実際の加工時間を参照できるためです。1件あたりの見積作成は平均35分から20分になりました。
過去に同じ形状で失敗した記録も一緒に出るため、同じ失敗を繰り返さないための確認に使われています。
図面から外形の特徴や穴の配置といった形状の情報を取り出し、比べられる形で保存します。形状を取り出せない図面は対象外として記録。新しい図面を読み込むと、形の近い過去図面を順に提示し、それぞれの加工手順と実際の加工時間を並べて表示します。使えたかどうかの入力を集め、並べ方を調整します。
6カ月
図面の状態調査4週、形状の抽出と検索部分の開発10週、画面実装5週、試行運用5週
860万円
要件定義・図面調査230万円+形状の抽出と検索420万円+画面実装210万円(税抜)