
秒単位で連鎖する送信機アラームを時系列で整理し、一次原因候補と派生アラームを提示。障害初動の判断を支援します。
テレビ・ラジオなどの放送送信所では、送信機、励振器、電力増幅器、電源装置、冷却設備、監視制御装置など複数の機器が連携して放送波を送り出しています。ひとつの設備で異常が発生すると、その影響が周辺装置へ波及し、数秒から数十秒の間に多数のアラームが連続して発生することがあります。 従来は、保守担当者が発生時刻順のアラーム一覧を確認しながら、設備構成図や過去の障害記録と照らし合わせて一次原因を推定していました。しかし、例えば冷却異常を起点に出力低下、増幅器保護動作、系統切替などが続く場合、後から出た重大度の高いアラームだけを見ると原因を取り違える可能性があります。 特に夜間や少人数体制では、最初の数分でどこを確認するかが復旧時間を左右します。そこで、アラームを単発で見るのではなく、時間関係と設備間のつながりから一つの障害事象として整理する仕組みを構築しました。
各装置から出力されるアラームコード、発生・復旧時刻、設備IDを取り込み、短時間に連続発生したアラームを同一事象候補としてグルーピングします。単純に時刻が近いだけでなく、設備階層や系統上の接続関係も考慮します。
過去の障害事例やアラームの発生順序をもとに、起点となった可能性が高いアラームと、それに伴って発生した可能性が高い派生アラームを整理します。担当者は最初に確認すべき設備から点検できます。
アラームだけでなく、送信出力、温度、電源状態、系統切替などの主要な状態変化を同じ時間軸に並べ、異常発生前から復旧までを追えるようにしました。
類似するアラーム連鎖が過去に発生していた場合は、その際の原因設備、交換部品、復旧操作、現場コメントを参照できるようにし、ベテランの経験を次回対応に活用します。
担当者が数十件のアラームを一件ずつ追うのではなく、AIが整理した障害事象と一次原因候補から確認を開始できるようになりました。
経験者が頭の中で行っていた「このアラームの後にこれはよく出る」といった切り分け観点を再利用できるため、担当者による初動判断の差を抑えられます。
アラーム、原因、復旧操作、交換部品、担当者コメントが障害事象単位で蓄積され、過去記録を単なる保管データではなく次回対応の判断材料として活用できるようになりました。
アラーム名称・コードを正規化したうえで、発生時間の近さ、設備間の接続関係、過去の発生順序を分析。短時間に連鎖したアラームを障害事象単位にまとめ、一次原因候補・派生アラーム・類似過去事例を整理します。
4カ月
450万円