
ロール間隙・電流・原料水分・粒度分布を横断し、粉砕状態の変化要因を見える化。
小麦を段階的に粉砕する製粉工程では、ロール間隙や回転条件を設定しても、原料小麦の水分や硬さ、ロール表面の状態、前工程から流入する粒度などによって、実際の粉砕結果は変化します。 現場では、ふるい分析で粒度の偏りが確認された後に、担当者が各ロールの電流値や間隙、原料状態を見比べて原因を探していました。しかし、一つの値だけで原因が決まるわけではなく、複数条件の組み合わせを見る必要があるため、判断は熟練者の経験に依存していました。 そこで、工程データと品質データをつなぎ、粒度が変化したときに『どの条件が普段と違っていたのか』を自動で整理する分析システムを開発しました。
原料ロット、調質後水分、ロール間隙、モータ電流、ロール温度、製品切替履歴、ふるい分析結果を時系列で統合。後から品質異常が出た際にも、その製品がどの条件で粉砕されたかを追えるようにしました。
単純な上限・下限監視ではなく、過去の正常ロットとの比較から、粒度分布が変化したタイミングで特徴的だった条件を抽出。『原料水分が高め』『特定ロールの電流が上昇』『間隙変更直後』など、確認すべき要因を順位付きで提示します。
前段ロールでの粉砕状態が後段に影響するため、対象ロールだけを切り離さず、前後工程の粒度・負荷・設定変更も含めて分析。原因を一設備に決めつけない設計にしました。
担当者が実施した間隙調整や原料配分変更、その後の粒度結果を記録し、類似ケースとして蓄積。次回同じ傾向が出た際に、過去の対応結果まで参照できるようにしました。
粒度変化が発生した際、担当者ごとに確認項目がばらつく状態から、AIが提示する要因候補を起点に確認する運用へ変更。若手でも同じ順序で原因調査を進めやすくなりました。
『経験的に間隙を広げた』ではなく、どのデータを見て何を変更したのかを記録できるようになり、調整判断を他の担当者へ共有しやすくなりました。
ふるい分析結果と運転データがロット単位で蓄積されるため、単発のトラブル対応だけでなく、特定原料やロール状態で繰り返す傾向の分析にも活用できる基盤を整えました。
ロットと時刻をキーに工程データと品質データを統合し、正常時との比較、変化点検出、特徴量分析を実施。粒度変化と同時に発生していた条件を抽出し、要因候補として順位付けします。
2カ月
400万円