
地熱発電の還元井で起きる注入能力低下を、圧力・流量・水質・薬注履歴から分析。原因究明を経験頼みからデータ起点へ変えます。
地熱発電では、蒸気や熱水を利用した後の地熱流体を地下へ戻すために還元井を使用します。ところが運転を続ける中で、同じ流量を戻すために必要な圧力が徐々に高くなったり、逆に注入できる流量が落ちたりすることがあります。 原因としては、シリカなどのスケール析出、懸濁物の流入、水質変化、薬注条件、井戸周辺の状態などが考えられます。しかし、圧力・流量のトレンド、水質分析表、薬注記録、洗浄履歴が別々に管理されており、担当者が過去データを並べて原因を推測する必要がありました。
還元圧、注入流量、温度、pH、シリカ濃度、懸濁物、水質分析結果、薬注量などを井戸単位で時系列に揃え、注入能力の変化と同じ画面で確認できるようにしました。
圧力上昇や流量低下が始まる前後のデータを分析し、水質変化、薬注条件、運転負荷などの中から影響が大きい要因候補を抽出します。単純な閾値監視ではなく、複数条件の組み合わせを確認できる設計です。
酸洗浄やフラッシング、薬注条件変更の実施前後を比較し、どの対応で注入圧や流量がどのように変化したかを整理。次回対応を検討するための材料として蓄積します。
同じ発電所内でも還元井ごとに地質条件や水質傾向が異なるため、全井戸を一律に扱わず、井戸単位の基準と過去傾向をもとに分析できるようにしました。
異常が起きるたびに複数の帳票やCSVを探す必要がなくなり、圧力・流量・水質・対応履歴を時系列で確認できるようになりました。
熟練担当者の経験に加え、過去データとの相関や類似ケースを判断材料として使えるため、担当者ごとの原因切り分けの差を抑えられます。
洗浄や薬注条件変更を実施した後も、注入能力がどう変化したかを追跡し、次の保全判断に活用できる仕組みを構築しました。
井戸ごとに各データを時系列で整列し、注入圧上昇や流量低下の発生前後を分析。水質・薬注・保全履歴との関係を学習し、注入能力低下に寄与する要因候補と類似ケースを抽出します。
6カ月
800万円