
現場の作業実績を2操作で収集し、赤字の兆候を着手中に検知できるようにしました。
従業員70名、産業用装置の一品受注生産です。年間40〜50案件を手がけ、顧客ごとに仕様が異なります。 作業実績は紙の日報で記録し、月末に経理がExcelへ集計していました。案件別原価が出るのは翌月中旬です。装置の製作期間は3〜6カ月に及ぶため、赤字案件が判明するのは納品後というケースが大半でした。 もう一つの問題が、仕様変更に伴う追加請求の機会損失です。変更対応に要した工数を把握できないため、作業が増えた感覚はあるが何時間増えたか説明できない状態で、交渉自体を諦めていました。経理の集計負担も月18時間ありました。
当初は案件・工程・作業内容・時刻を入力する構成でしたが、稼働1カ月目の入力率は45%でした。手が汚れているときに何度もタップするのが面倒だ、という声が理由です。
案件と時間が分かれば原価計算は成立します。内訳のために入力率が下がる損失のほうが大きいと判断し、項目を削りました。
作業者に担当案件を事前紐づけし、選択肢を数十から3〜4に削減。案件を選ぶ、開始と終了をタップするの2操作としたところ、入力率は92%になりました。
案件規模が大きく異なるため、金額の乖離幅では閾値を統一できません。工程進捗率に対する原価消化率の先行度で判定しています。
前日の実績が夜間に集計され、朝には最新の原価が反映されます。従来の翌月中旬から約45日の短縮です。
乖離警告が出た案件のうち5件は顧客からの仕様変更が原因と確認され、工数実績を根拠とした交渉に至りました。従来は感覚的な訴えにとどまっていた領域です。
紙の日報を入力する作業がなくなりました。蓄積された実績は類似案件の見積もり参照データとしても使われ始めています。
現場タブレットで記録された作業時間に職種別単価を乗じて労務費を算出し、材料費・外注費と合算して案件別の実績原価を集計します。見積時の予定原価および工程進捗率と照合し、進捗率に対して原価消化率が先行している案件を警告として抽出。完了案件は工程別に差異を分析し、類似案件の見積もり参照データとして蓄積します。
8カ月
要件定義4週、第1事業所開発10週、入力設計の改修4週、安定稼働確認6週、2事業所への展開8週
1320万円
第1事業所820万円+入力設計改修180万円+2事業所展開320万円(税抜、タブレット18台分を含む)