
分断されていたデータをつなぎ、条件の組み合わせによる不良要因を明らかにしました。
従業員160名、医療機器向けの樹脂部品を成形機18台で生産しています。全数検査を実施しており、寸法や外観の基準は厳格です。 課題は、ある品番の不良率が3.8%から下がらないことでした。月産6万個のため、月2,280個の廃棄に相当します。射出圧力や保圧時間を変える対策は何度も試みられましたが、変えたら少し良くなった気がするが翌週には戻る、という状態が続いていました。 原因が特定できない背景に、データの分断がありました。成形条件は各装置のPCに、不良判定は検査工程の別Excelにあります。突き合わせは品質担当者が月1回、USBメモリでログを吸い出して手作業で行い、約4時間かかっていました。
18台の装置PCの時刻が最大90秒ずれていました。成形サイクル20秒前後の品番では4〜5ショット分に相当し、紐付けが成立しません。タイムサーバーとの同期整備から始めています。
単独パラメータの相関では明確な関係が出ませんでした。複数条件を同時に考慮する分析へ切り替えた結果、金型温度と冷却時間の組み合わせが浮かび上がりました。
除外されたレコードの量と理由が分からなければ、結果の信頼性を評価できません。紐付け成功率を併せて出力しています。
日次更新のダッシュボードとして構成しました。材料ロット切り替え時の不良率上昇を3日で検知できています。
金型温度の管理下限を引き上げ、到達までは自動運転を開始しない制御を追加しました。廃棄は月2,280個から840個に減少しています。
時間帯別の集計により、金型が冷えている朝一番に不良が集中していることが数値で示され、立ち上げ手順の見直しにつながりました。
日次でデータが更新され、条件と不良の関係を随時確認できます。分析の枠組みは他品番にも展開中で、品番ごとに効く条件が異なることも分かってきました。
装置ログと検査結果を自動収集し、時刻と生産情報をキーにショット単位で紐づけます。紐付けに失敗したレコードは理由とともに記録して除外。品番別・金型別に、単独パラメータの相関に加え複数パラメータの組み合わせによる影響を評価し、寄与度の高い順に提示します。結果は日次でダッシュボードへ反映されます。
5カ月
現状調査と時刻同期整備3週、収集基盤構築6週、データ蓄積と分析4週、ダッシュボード実装5週、効果検証4週
680万円
現状調査・基盤構築380万円+分析・実装300万円(税抜)。他品番への展開は追加開発なしで実施可能