
劇場ごとに散在していた点検・交換履歴を設備図と紐づけ、保守判断と技術継承を支援。
劇場やホールの舞台上部には、照明・幕・大道具などを昇降させるバトンやワイヤ、滑車、巻上機、制御盤など、多数の吊物設備があります。これらは安全に直結するため定期点検が欠かせませんが、点検結果は年度ごとの報告書、写真、部品交換記録などに分かれて保管されることが多く、個々の設備の履歴を追うには過去資料を何冊も確認する必要がありました。 特に問題になるのが、軽微な摩耗や異音、ワイヤの素線切れ、ブレーキ調整など、単年度では重大でなくても継続監視すべき事項です。前回どこまで進行していたか、同じ設備で過去に何を交換したかが担当者の記憶に依存しやすく、担当交代時には判断材料が十分に引き継がれないケースもありました。 そこで本プロジェクトでは、設備図を起点に点検履歴を統合し、舞台上の『どの設備に、いつ、何が起き、どう対応したか』を設備単位で確認できる仕組みを構築しました。
舞台平面図・吊物設備図に、バトン、巻上機、滑車、ワイヤ、制御盤などの設備IDを紐づけました。担当者は図面上の設備を選ぶだけで、その設備に関連する履歴を確認できます。
定期点検の判定、摩耗・異音などの所見、現場写真、部品交換、調整内容、対応日を一つの履歴に統合。年度別の報告書を横断しなくても、状態変化を追えるようにしました。
『次回も摩耗量を確認』『ワイヤ交換時期を要検討』などの継続確認事項を設備ごとに登録し、次回点検時に自動で表示。担当者が変わっても確認観点を引き継げるようにしました。
同じバトンでも、ワイヤ、滑車、ブレーキ、リミットスイッチなど部品ごとに更新時期が異なります。交換部品と交換理由を記録し、設備全体の状態をより細かく把握できるようにしました。
現場で設備図を開き、対象バトンや機器を選択するだけで、過去の点検・修繕・交換履歴を確認できるようになりました。
単年度の良否判定だけでなく、摩耗や異音などの経年変化を設備ごとに追えるため、前回との比較を前提にした点検がしやすくなりました。
『なぜ交換したのか』『なぜ経過観察としたのか』まで履歴として残すことで、ベテランの記憶だけに依存しない保守体制につながりました。
各点検・修繕記録を設備IDに紐づけ、設備図上の位置情報と統合。設備単位・部品単位で時系列に並べ、継続確認事項や未対応事項を状態別に整理します。
6カ月
対象劇場数、既存設備図・点検記録の形式、連携範囲により異なります。
550万円
対象設備数、既存データの整理量、必要な運用機能により異なります。