
突発停止の予兆を振動と電流から捉えられるか、対象を絞ったPoCで検証しました。
従業員120名、家電・住設向けの樹脂射出成形メーカーです。成形機24台を24時間3交代で稼働させています。 悩みは油圧ポンプの突発停止でした。年3回程度、稼働中に油圧が抜けて停止し、復旧まで約8時間。その間ラインが止まるうえ、金型内で固まった樹脂の清掃にも時間を取られます。 保全は3名で24台を担当し、6カ月ごとの定期分解と巡回時の聴音でしのいでいました。「音が変わってきた」と判断できるのは経験15年以上の1名だけで、その根拠はデータに残りません。ただで24台分のセンサー投資をいきなり決めることもできず、まず予兆が取れるのかを確かめたいという相談でした。
突発停止の実績がある機種と稼働時間の長い機体を優先し、8台に限定しました。機材費が3分の1に収まり、投資判断のハードルが下がります。
クランプ式の電流センサーと貼り付け型の加速度センサーを採用しました。設備メーカーの保証範囲への影響を避けるためです。
年3回しか起きない故障のデータは集まりません。正常稼働時の振動スペクトルと電流波形の分布を学習し、そこからの逸脱をスコア化する方式としました。
予兆を検知した際は実際に分解し、当たり外れを記録する運用を事前に取り決めました。裏取りのない検証では閾値の妥当性を判断できないためです。
1件は分解によりベアリング摩耗を確認し、突発停止に至る前に計画的な部品交換ができました。もう1件は明確な劣化がなく、経過観察を継続しています。
8台でこの頻度のため24台へ展開すると月12件前後になります。保全3名でこの確認作業を追加するのは現実的ではありません。
誤検知は7〜8月に集中していました。油温上昇による粘度変化が原因と考えられ、1年分のデータ収集後に本番導入を再評価する方針としています。
エッジ端末がセンサーデータを集約してクラウドへ送信し、稼働情報を参照して運転中のデータのみを抽出します。振動波形を周波数領域に変換して特徴量を算出し、正常時の分布からの逸脱を異常スコアとして数値化。閾値超過が一定時間続いた場合に保全担当者へ通知します。
4カ月
要件定義とセンサー選定3週、設置とデータ収集12週、モデル構築と評価3週
450万円
PoC一式450万円(税抜、8台分のセンサー・エッジ端末を含む)。本番展開は再評価後に別途見積もり