
手順書を見れば分かる問い合わせで埋まっていた部門の電話を減らしました。
従業員650名、国内2工場で樹脂部品を製造しています。生産技術部は8名で、金型の条件設定や設備の標準作業、品質規定の解釈などを担当しています。 この部門に、現場からの問い合わせが月におよそ560件届きます。電話とメールと、現場に行ったときの立ち話です。内容を半年分分類してみたところ、約6割は手順書や規定を見れば分かる内容でした。 見ない理由は、探すのに時間がかかるからです。手順書は共有フォルダに部門別・年度別で保存されており、改訂版と旧版が並んでいることもあります。現場からすれば、探すより電話したほうが早いという判断になります。 生産技術部側では、本来の改善業務が進まないことが問題でした。問い合わせへの対応に1人あたり日に1時間半前後を使っており、しかも作業が中断されることの損失が大きいと感じていました。
共有フォルダには改訂前の手順書も残っています。改訂履歴を見て有効な版を判別し、古い版を回答の根拠に使わないようにしています。
回答文だけでなく、根拠にした手順書の名前と該当箇所を並べます。品質規定に関わる内容を回答文だけで信じさせるのは危険だと判断しました。
根拠となる文書が見つからない場合は、推測で答えずに担当者へ回す形にしています。問い合わせ内容はそのまま引き継がれます。
回答できなかった質問は一覧になります。多いものから手順書を追加する運用にしており、現場の疑問が文書に戻る形になっています。
減った分の大半は、手順書を見れば分かる内容でした。1人あたり日に1時間半前後だった対応時間は、約35分になっています。
以前は翌営業日まで待つか、自分の判断で進めるしかありませんでした。問い合わせの約4割は営業時間外に入っています。
答えられなかった質問の一覧から、導入5カ月で14件の手順書を新規作成・改訂しました。
共有フォルダの文書を取り込み、改訂履歴から有効な版を判別して検索の対象にします。質問が入ったら、近い内容の手順書や過去の回答を探し、その範囲で回答文を作って出典と一緒に返します。根拠の見つからない質問は回答せず、生産技術部へそのまま引き継ぎます。
5カ月
文書の状態調査と要件定義5週、検索と回答部分の開発8週、画面と連携の実装5週、試行運用4週
780万円
要件定義・文書調査220万円+検索と回答部分340万円+画面実装220万円(税抜)。運用費用は月560件規模で月数千円