
全数目視検査を自動化し、検査時間を4分の1に短縮しながらベテランの判定基準を継承しました。
自動車向け金属プレス部品を手がける従業員80名の二次下請けです。プレス・研磨・めっきを経た部品を、出荷前に全数目視で検査していました。1個15秒、日産4,000個を4名で分担しています。 問題は判定基準が数値化されていないことでした。バリや打痕、めっきムラの合否は限度見本だけでは決めきれず、実質的に検査員の経験に依存します。人によって判定がぶれ、月に数件は後工程から指摘が出ていました。 そして判定の勘所を持つベテラン2名が、2年以内に定年を迎える予定でした。増員では解決しない、基準そのものを機械に移す必要がある、という判断からプロジェクトが始まりました。
良品率99%超の工程では不良サンプルが集まりません。正常品画像12,000枚のみを学習し、そこから外れた見た目を検知する方式を採用しました。
既存の検査台での撮影では精度が72%止まりでした。原因は蛍光灯の映り込みと外光です。遮光ボックスと拡散板付きリング照明を製作し、94%まで改善しています。
AIが正常と判定した個体はそのまま流し、異常と判定した4〜6%だけを検査員が最終確認します。閾値は見逃しを避けて広めに設定しました。
検査員の最終判定は画像とともに記録され、限度見本のデジタル版として機能します。稼働そのものが基準の蓄積を兼ねる構成です。
1個15秒が3.5秒になり、検査要員4名のうち2名を段取り替え工程へ再配置しました。増員なしで月産能力を引き上げています。
見逃し率は0.8%から0.1%へ。疲労や時間帯による判定のぶれがなくなり、ロット後半での見逃しが解消しました。
導入6カ月で約1,100件の判定データが蓄積され、新人教育でも参照されています。ベテランに口頭で確認する場面が減りました。
コンベア上の部品を検知して自動撮像し、品番に応じた学習済みモデルを選択します。正常品画像から学習した分布との逸脱を異常スコアとして算出し、閾値を超えた個体のみエアシリンダーで別レーンへ振り分けます。検査員が最終判定を入力すると、画像とともに記録されます。
5カ月
PoC(撮像条件検証・モデル構築)2カ月、ボックス製作とライン組込1.5カ月、本番実装と検収1.5カ月
780万円
PoC 220万円+本開発 560万円(税抜、カメラ・照明・撮影ボックスの機材費を含む)