
班長が見回って判断していた応援の指示を、機種ごとの作業量から先に出す形にしました。
従業員260名、業務用厨房機器の組立を行っています。組立ラインは2本で、12工程、作業者は各ラインに18名。機種は多く、同じ機種を連続で流すのは2〜3日分です。 機種が変わると、工程ごとの作業量のバランスが崩れます。ある機種では配管工程が重く、別の機種では電装工程が重い。ところが人の配置は固定されていました。 結果、ある工程の前に仕掛品が滞り、別の工程は手待ちになる。班長が見回って、手が空いている作業者を滞っている工程へ応援に出していました。この判断は班長の経験に依存しており、気づいてから動くため後手に回ります。 ラインの稼働状況を測ってみると、作業者の手待ち時間は1日あたり合計で約4.5時間。人数に換算すると0.5人分です。現場からも「忙しい工程と暖い工程の差が大きすぎる」という声が出ていました。
どの工程が重いのかを感覚ではなく数値で把握する必要がありました。主要機種について、工程ごとの作業時間を2カ月かけて実測しました。
全員がすべての工程に入れるわけではありません。電装は資格が必要で、配管は習熟に差がでます。誰がどの工程に入れるかを登録してから配置を考えています。
翼日の生産計画から工程ごとの作業量を見積もり、工程間の差が小さくなる配置案を前日の夕方に出します。滞ってから動くのでは遅いためです。
欠勤や飛び込みの変更は必ず起きます。人を入れ替えると、どの工程が滞る見込みになるかがすぐに再計算されます。
人数に換算すると0.5人分だったロスが、0.2人分ほどになりました。同じ人数でラインの生産量は約11%増えています。
従来は滞ってから動いていましたが、前日に配置を決めることで、班長は例外への対応に集中できるようになりました。
実測した工程別作業時間は、見積もりや新機種の立ち上げ検討にも使われるようになりました。
翼日の生産計画と機種ごとの標準作業時間から、工程ごとの作業量を見積もります。作業者が入れる工程の制約を適用したうえで、工程間の作業量の差が小さくなる配置を探し、前日の夕方に案として出します。現場で人を入れ替えると、どの工程が滞る見込みになるかが即座に再計算されます。
5カ月
作業時間の実測と整理6週、配置計算の開発6週、画面実装4週、試行運用4週
730万円
現状調査・作業時間の実測250万円+配置計算290万円+画面実装190万円(税抜)