
騒音環境でも使える音声入力を実現し、手書き日報の転記と確認電話をなくしました。
従業員90名の金属熱処理会社です。焼入れや浸炭といった処理を、顧客から預かった部品に対して行っています。 作業ごとに、品名・ロット・炉の号機・設定温度・保持時間・時刻を紙の様式へ手書きし、翌日に事務員がExcelへ転記していました。所要は毎日約1.5時間です。 問題は3点ありました。油や熱処理剤で汚れた手で書くため字がにじみ、判読のための確認電話が月35件。作業に追われて後でまとめて書くため記入漏れが発生。そして日報の提出率自体が78%にとどまっていました。処理証明書を発行する業務の性質上、この状態は看過できません。
事務所では問題ないのに現場では認識率が76%でした。原因はバーナー音や送風機音です。指向性マイク付きヘッドセット型へ変更し、86%まで改善しました。
熱処理の専門用語、炉の社内呼称、顧客略称は一般的な辞書に含まれません。2週間かけて現場のやり取りから収集し、登録した結果、認識率は93%に達しました。
号機の位置には号機名の候補しか入らないなど、文脈による制約を加えて誤認識をさらに減らしています。
認識結果は構造化された形で表示され、誤りをタップして修正します。手袋を前提に、キーボード入力を排して候補選択方式としました。
音声入力の結果がそのまま構造化データとして保存されるため、転記する対象が存在しません。浮いた時間は処理証明書の発行と月次分析に充てられています。
炉の前で30秒から1分話すだけになったためです。作業直後に入力するため記述も具体的になり、これまで簡略に済ませていた欄にも実質的な内容が書かれるようになりました。
判読の問題は手書きをやめた時点で解消し、必須項目の未入力では登録を完了できない制御により記入漏れもなくなりました。
指向性マイクで周囲の炉音を抑制しながら音声を取得し、現場用語辞書を適用して認識します。日報の項目構造に沿って値を抽出・分類し、項目ごとの制約で候補を絞り込み。結果を端末画面に表示して作業者が修正します。設定温度が標準範囲外の場合は警告し、必須項目が揃った時点で登録を完了します。
4カ月
要件定義と現場での認識率検証3週、端末選定と用語収集2週、開発8週、現場試行と辞書調整3週
520万円
要件定義・検証120万円+開発400万円(税抜、ヘッドセット端末12台分を含む)