
漏れ量・振動・温度・摺動面写真・使用流体を横断し、故障原因の切り分けを支援。
化学プラントや食品工場などで使われるポンプでは、回転軸から液体が漏れないようメカニカルシールが使用されています。漏れが確認された場合、単にシールを交換するだけではなく、摺動面の摩耗、熱割れ、異物の噛み込み、空運転、偏心、使用流体との相性など、何が原因だったのかを切り分ける必要があります。 従来は、漏れ発生時の運転データを確認したうえでシールを分解し、摺動面やOリング、ばねなどを熟練者が観察して原因を推定していました。しかし、似たような傷でも発生要因が異なることがあり、判断には製品知識と長年の故障解析経験が必要でした。 その結果、若手担当者だけでは原因を確定できず、写真や部品をベテランへ回して判断を待つケースが発生。原因が曖昧なまま同じ仕様のシールへ交換すると、設備側の問題を見落とし、再び漏れが発生する可能性もありました。
漏れ発生前後の振動、軸受温度、シール部温度、漏れ量、回転数、吐出圧などの運転データに、分解後の摺動面写真、Oリングやばねの状態、使用流体、シール型式、累積運転時間を紐付けました。
過去の修理・返却品調査で蓄積されていた「摩耗」「熱割れ」「異物噛み込み」「ドライ運転」「腐食」「偏心・振れ」などの判定結果と、その際に観察された特徴を教師データとして整理しました。
AIは単一の故障名を断定するのではなく、可能性の高い故障モードを複数提示します。あわせて、温度上昇、特定方向の摩耗痕、振動増加など、どの情報が判定に寄与したかを表示し、担当者が追加確認できるようにしました。
シール単体の交換で終わらせず、軸振れ、フラッシング配管、空運転の有無、流体中の固形物など、故障モードに応じて確認すべき周辺条件も表示。再発防止策の検討までつなげられる設計としました。
担当者は漏れ案件を登録すると、確認すべきデータと写真が同じ手順で揃うようになり、経験年数による調査項目の抜けを抑えられるようになりました。
典型的な摩耗や異物噛み込みなどはAIの候補と根拠をもとに一次切り分けできるため、ベテランは判断が割れる案件や特殊流体の案件を中心に確認できる運用へ移行しました。
設備側の確認項目まで同時に提示することで、シール交換だけで処置を終えず、軸振れやフラッシング条件など根本原因を確認してから復旧方針を決めやすくなりました。
運転データの時系列特徴と、分解部品画像から得られる摩耗・変色・割れ・付着物などの特徴を統合。過去の故障解析結果と比較し、故障モードごとの可能性と判定根拠を算出します。
4カ月
750万円