
担当者の感覚で行っていたピーク回避を、予測に基づいて早めに知らせる形にしました。
従業員420名のアルミ押出メーカーです。押出機と加熱炉を持つため電力使用量が大きく、電気料金は年間で約4.8億円です。 電気料金のうち、基本料金は過去1年で一番大きかった30分間の使用量で決まります。つまり、年に数回しかないピークの瞬間が、その後1年間の固定費を決めてしまいます。 現場もこのことは知っていました。ただし対策は、監視盤の数値を見ている担当者が「上がりそうだ」と感じたときに、現場へ電話をかけて一部の設備を止めてもらうというものです。間に合わないこともあり、逆に不要な停止をかけて生産を遅らせることもありました。 前年度は、7月のある日の30分でピークを更新してしまい、年間の基本料金が約1,900万円上がりました。この日は、加熱炉の立ち上げと空調の稼働が重なっていました。
監視盤には工場全体の合計しか出ていませんでした。主要な設備に計測器を追加し、どの設備がどれだけ使っているかを分けて見られるようにしました。
直近の使用量の推移に加えて、生産計画と外気温を使います。加熱炉の立ち上げと空調の稼働が重なる日が危ういと分かっていたためです。
予測値がしきい値に近づいたときだけ、現場の端末と監視盤に通知します。ともに、どの設備をどれだけ抑えればいいかを量で示します。
警告を出す回数が多すぎると現場は見なくなります。月に何件なら対応できるかを先に決めてから、しきい値を設定しました。
年間の基本料金に換算すると、前年度の水準から約1,400万円の削減になります。
以前は「上がりそうだ」と感じた段階で電話をかけていたため、結果的に不要だった停止が含まれていました。
どの設備の組み合わせが重なると危ういかが見えるようになり、加熱炉の立ち上げ時刻をずらす運用に変わりました。
主要設備に追加した計測器から30分ごとの使用量を収集します。直近の推移に生産計画と外気温を合わせて、30分先の合計使用量を見積もります。年間ピークの更新に近づく見込みのときだけ、現場端末と監視盤に通知し、どの設備をどれだけ抑えれば良いかを量で示します。実際の使用量と見積もりの差を記録します。
6カ月
使用量データの整理と要件定義5週、予測部分の開発7週、現場への通知の実装5週、夏場を挡む試行運用8週
910万円
要件定義・データ整理240万円+予測部分380万円+通知と画面の実装290万円(税抜)。電力計測器の追加分は別途