
10年前の数量のまま運用していた発注点を、部品ごとの出方に合わせて計算する形にしました。
従業員240名の産業機械メーカーです。納入した設備の保守サービスを自社で行っており、部品倉庫には8,400点、在庫金額にして約3.2億円を持っています。 発注点は、10年ほど前に決めた数量がそのまま使われていました。実態に合わない分は担当者2名が経験で調整しますが、8,400点すべてに目が届くわけではありません。 結果として、欠品と滞留が同時に起きていました。欠品すると顧客の設備が止まるため特急手配になり、月11件、1件あたり平均18万円の追加費用が出ています。一方で、5年間まったく動いていない部品が1,900点あり、在庫金額の23%を占めていました。 担当者からは「どの部品をいくつ持てば正解なのか、判断する材料がない」という声が出ていました。出庫の記録はシステムに残っていますが、それを見て発注点を計算する時間がないのが実情です。
毎月出る部品と、年に数回しか出ない部品、数年に1回の部品では、必要な考え方が違います。過去5年の出庫実績から3つに分け、それぞれ別の方法で発注点を出すようにしました。
据付台帳に、どの顧客にいつ何号機を納めたかが残っています。稼働年数と部品の交換周期を突き合わせることで、これから交換期を迎える設備の部品を先回りして手当てできるようにしました。
在庫を持つ費用と、欠品したときの費用(特急手配と顧客の設備停止)を金額で比較し、どちらが安いかで発注点を決めています。「念のため多めに」という判断をなくすためです。
一定期間出庫のない部品を自動で抽出し、処分の判断材料として毎月提示します。発注点の見直しだけでは在庫金額は下がらないためです。
動きの少ない部品の発注点を下げ、処分候補を毎月出す運用にした結果です。滞留部品は1,900点から1,100点に減りました。
在庫を減らしながら欠品も減っています。総量を絞る代わりに、出る部品には厚く持つよう配分を変えたためです。
なぜその発注点なのかが画面で確認できるため、引き継ぎができる状態になりました。以前は2名の経験の中にしかありませんでした。
出庫実績から部品を需要の出方で3つに分け、それぞれに合った方法で今後の必要数を見積もります。据付台帳の稼働年数と交換周期を突き合わせ、これから交換期に入る設備の分を上乗せ。在庫を持つ費用と欠品したときの費用を比べて、部品ごとの発注点と発注量を計算します。一定期間出庫のない部品は別途抽出します。
6カ月
現状調査とデータ整理6週、計算方法の検討と検証8週、システム実装8週、従来の発注と並べての確認4週
890万円
要件定義・データ整理260万円+計算ロジック330万円+システム実装300万円(税抜)。月次の再計算は自動で行われます